大会長挨拶

わが国の高齢者虐待件数は、平成18年に施行された高齢者虐待防止法による周知もあり、潜在していた虐待が顕在化したかのように毎年、養護者による虐待も、施設従事者によるそれも増加の一途でしたが、養護者による虐待については平成22年をピークに、その流れにいったんストップがかかりまし た。高齢者虐待対応の体制構築、ネットワークの強化、現場での実践の積み重ね、また虐待研究の蓄積等による成果であることは間違いありません。しかしその後は、再度増加し続けています。さらに近年は、法律の隙間をくぐるように、サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)での虐待や、貧困ビジネスと絡んだ虐待問題等が浮上してきています。セルフネグレクトへの対応を保証する法的根拠を求める声もあり、高齢者虐待防止法の改正は必須の段階に直面しているといえるでしょう。

平成28年度の第13回日本高齢者虐待防止学会横浜大会のテーマは、「高齢者虐待防止に向けた新たな挑戦」です。システムズ・アプローチに基づく家族支援や、虐待防止を含めた家族支援を主眼とした地域包括支援等のあり様とともに、施設虐待を起こさない・受けないための方策や、高齢者虐待防止法が制定されて10年を迎えた今、法改正を目指して取り組むべき課題を掲示し、これらの実現をへて高齢者虐待とその対応がいかに変わり得るのか、高齢者がその人らしい生活を送れることをいかに保証できるのかを探求したいと考えています。またそのような課題を、立ち位置の異なる人々で共有し、ディスカッションできる機会を提供したいと思っています。ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

なお大会の日時と会場ですが、2016年7月16(土)、横浜駅から京急線で19分の金沢八景駅より徒歩4分、横浜市立大学金沢八景キャンパスになります。より多くの皆様のお越しを港街、横浜にて心よりお待ちしております。

松下 年子
横浜市立大学院医学研究科看護学専攻・医学部看護学科

松下 年子

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